STP分析
起業の準備で欠かせないフレームワークといえば「STP分析」です。 「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング(標的市場の決定)」「ポジショニング(立ち位置の決定)」という基本の流れは、マーケティングの王道として広く知られています。
しかし、教科書通りに細かく分類したとしても、真のコアターゲットに出会えるわけではありません。
ビジネスを成功させる鍵は、基本のステップを踏まえながら、「顧客への深い共感」をどれだけ分析に組み込めるかにあります。ここでは、初めてビジネスに挑戦する方から再ターゲットをする必要がある方まで使える、「be起業流」のSTP分析の深掘りポイントを解説します。
1. S(セグメンテーション):まずは客観的な切り口で市場を分類する
最初のステップは、市場を共通のグループに分類する「セグメンテーション」です。ここは基本に忠実に、客観的なデータ(切り口)を使って市場の全体像を捉えます。
- デモグラフィック(人口動態):年齢、性別、職業など
- ジオグラフィック(地理):住んでいる地域、気候など
- サイコグラフィック(心理):価値観、ライフスタイルなど
- ビヘイビアル(行動):購買頻度、使い道など
これらの切り口を使って、まずは「世の中にはどんな市場の塊(グループ)があるのか」を整理していきましょう。
2. T(ターゲティング):共感マップで「コアターゲット」と「ペルソナ」を深掘りする
次に、分類した市場から狙いを定める「ターゲティング」です。ここからが、ビジネスの成否を分ける非常に重要なプロセスになります。ターゲットを絞り込む段階、そしてペルソナを設定する段階の双方で、「共感マップ」を意識することが「be起業流」の大きな特徴です。
① ターゲット(市場の塊)を選ぶ
まずはセグメンテーションした中から、自社の強みが活きそうな「ターゲット層」を大まかに選びます。
- 例:仕事と子育てを両立したい30代の働く女性
② コアターゲットへ向けて「チューニング」する
選んだターゲット層をさらにセグメンテーションし、自社の商品を最も必要とする「コアターゲット」へと絞り込んでいきます。ここで一度、共感マップの「Pain(痛み・悩み・不安)」と「Gain(得たい価値・理想の未来)」を意識してみましょう。
- Pain(痛み):時間がなくて自分のキャリアを諦めそう、毎日イライラしてしまう
- Gain(理想):短時間でも効率よく学び、自分に自信を持って笑顔で働きたい
「このPainとGainを抱えているのは、ターゲット層の中でも特にどんな状況の人だろう?」と問いかけながら、コアターゲットの条件を何度も「チューニング(微調整)」していくことが重要なのです。
③ ペルソナを設定し、さらに共感マップを深める
コアターゲットがある程度に固まったら、代表する人物像(ペルソナ)に落とし込みます。
ここで大切なのは、「ペルソナを設定した後こそ、もう一度共感マップを強く意識する」ということです。
名前や年齢、職業を決めて満足するのではなく、その1人の視点に立って、共感マップの他の要素をリアルに描き出していきます。
- 【見ていること】:SNSを開けばキラキラした同世代が目に入り、焦りを感じている
- 【聞いていること】:家族からの「無理しなくていいよ」という優しいけれど複雑な言葉
- 【考えていること】:私の人生、このままでいいのかな……という漠然とした不安
ペルソナを設定していく中でこのように共感マップを深めることで、ただの「書類上のプロフィール」だったペルソナが、本当に実在する生身の人間として見えてきます。
プロフィールだけを埋めていくと、実在しない本当に架空の人物が出来てしまうことがあります。
だからこそ、共感マップに落とし込んでいくことで、深層心理に働きかけることで顧客のプロフィール上の矛盾を見つけることができ、使えるペルソナが生まれます。
3. P(ポジショニング):「情緒的ベネフィット」を加えた顧客視点のマップを作る
最後が、市場におけるビジネスの立ち位置を決める「ポジショニング」です。
よくある間違いが、「価格が安い」「機能が多い」「駅から近い」といった【機能的ベネフィット(商品のスペックや利便性)】だけで競合と差別化しようとすることです。
これだと、資本力のある大企業やライバルとの価格競争に巻き込まれてしまいますし、都合の良いものが出来上がってきます。
そこで有効なのが、先ほど深掘りしたペルソナの感情に寄り添い、【情緒的ベネフィット(その商品を通じてお客さんが得られる感情の価値)】を掛け合わせた、顧客視点でのポジショニングマップを作成することです。
- 機能的ベネフィット:オンラインで24時間いつでも学べる
- 情緒的ベネフィット:同じ悩みの仲間と繋がり、孤独感から解放されて「安心」できる
ポジショニングマップの縦軸と横軸を考えるときは、「安い/高い」だけでなく、「安心感」「ワクワク」「自分らしさ」といった、ペルソナが価値を感じる情緒的な軸を入れるか、情緒的ベネフィットで分類できるような2軸を設定してみてください。
競合が真似できない、お客さんの心に寄り添った「あなただけの特等席」がきっと見つかります。
まとめ:STP分析は、あなたとお客さんを繋ぐ「共感のロードマップ」
STP分析の基本を大切にしながら、「be起業流」のアプローチで一歩深く踏み込んでみましょう。
- S:客観的な切り口で市場を適切に分類する
- T:共感マップを使いながらコアターゲットをチューニングし、設定したペルソナの「目線・感情」にまで没入する
- P:機能だけでなく「情緒的ベネフィット」を加えた顧客視点のポジショニングマップを作る
このプロセスを経ることで、あなたのビジネスは「スペックの良さ」ではなく「あなただから」という理由で選ばれるようになります。
焦らず、あなたのお客さんになる人の心に寄り添いながら、ビジネスの土台を整えていきましょう。
be起業スタジオは、皆さんの挑戦をいつも応援しています!
